妊婦さんにとって骨盤の前傾が大切な2つの理由

骨盤の角度は姿勢全体に影響を与えています。正常な骨盤の角度は立った時に29~39°前傾しています。しかし妊娠中期〜後期では角度が変わってきます。
正常な変化では、ほとんどの妊婦さんが妊娠前より骨盤の前傾が多く(+3°くらい)なります。実はこの骨盤が多めに前傾する事、妊婦さんにとって大切な事なのです!※ただし39°以上前傾し過ぎると腰を痛めやすい。妊娠中姿勢仙骨角度

では、なぜこのような前傾が大切なのでしょうか?

1.出産時に赤ちゃんが骨盤を通りやすくなるため

骨盤の前傾は出産時に大きな役割を果たします。妊娠後期になると骨盤の前傾角度はより大きくなります。骨盤の前傾が大きくなることで骨盤が開きやすくなり出産に向けた準備を始めるのです。背骨と骨盤開き

また骨盤の角度によって出産時の赤ちゃんのポジションに影響する可能性があります。これは臨月に赤ちゃんが降りてくる時の侵入角度が変化するためです。出産前、赤ちゃんの頭は産道近くまで下がってきていますよね?この時に赤ちゃんの顔が後ろを向いているポジション(前方後頭位)だと、骨盤をスムーズにくぐりやすいのです。前方後頭位

しかしまれに出産前に赤ちゃんの顔が前を向いているポジション(後方後頭位)だと出産に時間がかかり、帝王切開になることもあります。妊娠後期に骨盤前傾がたりないと後方後頭位になりやすいと言われています。後方後頭位

2.子宮の位置にも影響するため

この骨盤前傾は子宮のポジションにも影響しています。子宮の正しいポジションも骨盤と共に前傾しているのです。ところが骨盤の角度に問題があると、子宮の位置も変化してしまいます。
子宮後屈という言葉は聞いたことありますか?これは通常前に傾いている子宮が後ろに倒れてしまう事を言います。子宮が後ろに倒れることで尿管や卵巣静脈を圧迫しやすくなります。この時の痛みはお尻や股関節に出現し、歩いた時に痛みが走ることが多いです。

また尿管の圧迫は血流を悪くするため以下のような症状につながるケースがあります。
・太ももから足先までむくみやすくなる
・膀胱炎
・妊娠高血圧
・背中(腎臓のあたり)の痛み

骨盤のために気をつける事は?

骨盤の前傾を保つことが重要なのは分かっていただけた思います。
では骨盤の前傾を正常に保つためには何に気をつければいいのでしょうか?

一つはよく歩くことです。

基本的に立っている時以外、骨盤は前傾していません。私たちの骨盤は生まれつき前傾しているのではなく、歩き始める1歳ぐらいから前傾し始めます。つまり立ったり、歩いたりする事で骨盤の前傾が促されます。体を動かすのがおっくうですが、睡眠時間が長かったり、お昼寝が多かったり、寝転がっていたりと、横になった姿勢も頻繁にならないようにしましょう。

もう一つは座り方です。

座っている時もやはり骨盤は前傾していません。後傾、つまり後ろに倒れています。座った状態があまりにも長く続くと骨盤が後傾してしまうので気をつけた方がいいでしょう。また、背もたれに寄り掛かったようなリクライニングポジションは頻繁にしない方がいいでしょう。この座り方はよりいっそう骨盤を後傾に動かします。

ABOUTこの記事をかいた人

小松 ごろう

ココから整体代表 / 柔道整復師 / メディカルトレーナー  フランスのカリキュラムを修了し、骨盤が関係する痛み、泌尿器、婦人科の問題に特化した施術をスタートさせた。(Nicette Sergueef;小児オステオパシーコース修了、Dr. Jérôme BAPTESTE(仏);泌尿・生殖(膀 胱、子宮、卵巣、卵管、前立腺)コース修了) また妊娠中の痛み、逆子、産後の腰痛、恥骨痛、尿漏れなど産科的な問題も研究し、長野県立こども病院では骨盤と泌尿生殖の専門家として『出産後ケア』の講習会などを行った。